にゃおにゃおProject 2001年5月公演

■ 可燃性シェルターの人々 ■


■作・演出 ナカヤマカズコ
■出演 松本あずさ 時岡昌史 岡田桂子 
伊藤美紀 田中美奈子 岡島仁美
佐々木健志 向畠幸恵 手呂内康佑
  (PPC) ナカヤマカズコ
■演奏 梶川俊一(ピアノ)
西田有我(チェロ)
日渡奈那(ギター)
小野澤ヤスヨ(ヴィオラ)
■場所 下北沢駅前劇場
■作曲・編曲 梶川俊一
■衣裳 長谷川直子
■制作 板橋園恵 安藤佳澄 石田希望

ヤコは早くに両親をなくし、父親の残した家で姉と二人暮している。姉の親友との結婚を目前に、突然婚約を破棄し新しいビジネスを始めるミヤコ。「引きこもり願望はあるけれど場所がない」人々の為にスペース『シェルター』。支配人のミヤコの役割は客が安心して引きこもることができるよう、家族や職場など外界の接触から彼らを守ってやることである。利用客は夫をなくしたばかりの老女、潜入ルポを書く目的のライター、母親の過干渉に悩まされているダンサーの男、縫いぐるみのクマとしか話すことのできない鍵師……。研究旅行から帰宅し、家がすっかり改装されていることに姉のアオイは驚き怒る。姉妹と、『シェルター』利用客の奇妙な共同生活が始まる。
   
オイはミヤコにこれまで嘘をつきとおしていた。姉妹の母がミヤコの幼い頃に亡くなったのではなく本当は男と駆け落ちしたこと、その後また違う男と再婚したこと……。そして数日前母親は亡くなった事。アオイは憎しみのあまりその骨を盗み出し、『シェルター』のロビーの床下にしまう。
   ある日少年が訪れる。姉妹の母親の再婚相手の連れ子で、盗まれた骨を取り戻しにやってきたのだ。ミヤコは少年から真実を知るがアオイは小部屋に引きこもってしまう。
    『シェルター』をよく思わないアオイやダンサーの母親、鏡子という共通の敵を持つことで利用客とミヤコに連帯感が生まれ、『シェルター』が引きこもりではなく交流の場になり始めた頃、ダンサーの母親鏡子が放火し全焼してしまう。煙と炎の中でアオイはミヤコはお互いの思いをぶつけあう。
   ミヤコとアオイ、利用客達は複雑な思いを胸に『シェルター』の焼け跡から去ってゆく。

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