のぞみさえすれば アフリカの サバンナで暮らすキリンや ベランダで 日向ぼっこするサボテン、 |
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木立を吹き抜ける風にも なれると考えていました。 ずっとずっと前の話です。 |
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暮らしていたのです。 不思議なことに時々、 私は電車に乗っていて その王国を 通り過ぎることがあります |
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乗っている電車が そこに停車したことが あるのです。 |
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周囲を見まわすと、 みんな気後れしたような 少し切ない表情で 外を眺めているだけです |
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降りる乗客はいません。 アナウンスが出発を告げ 車両のドアが閉まると、 みんな淋しいような ほっとしたような 顔になりました。 |
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あの時の、 ドアの閉まる音が 今でも耳に 焼きついています。 |
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現在の私と王国を 静かに穏やかに 遠く隔てているのです。 |
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できるけれど 決して 触れることはできない ケムリの王国の物語です。 |
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