私とひとり
      閉ざされた部屋の中で
     女達が私を見つめている
私は一人一人の女達に問う
     「あなたは誰?」

    「私はあなた」
      それぞれ違う言い方で
   女は答える
 私は最後のひとりにも尋ねる
   「あなたは誰?」
 やがて最後のひとりが答える
        「私は私よ」
        そう
  このひとりが大切
     このひとりが私
      このひとりを残して
     皆、部屋の外へ去ってゆく
     私はこのひとりと向かい合う
    ぴたりと
私はもう問いを発しない
         様々な色に心を染めながら
      黙っている
        ただ考えている
このひとりを
愛することができるだろうかと