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りんね ナカヤマカズコ
生きる勇気が湧かない
息をするのも疲れる
吸い込んだ空気が胸に刺さる
吐き出すたびに絶望が深くなる
やがて、私は全部出て行ってしまう
内臓も思いも一緒くたになって
闇の色をした、呼気になって
私の中はがらんどうになって
残った
ちっぽけな思いが
カラカラとおんぼろの風車みたいに
回りはじめる
吸い込んだ夏の木枯らしが
私という入れ物を
笛のように鳴らしている
いつか
じわりと透明な液体が染み出して
ひたひた流れる膜のように私を覆う
それは血の乾いた傷という傷をたどる河となり
痛みを新しく濡らす
思いは水車となり
リズムが私を
また潤してゆく
吸い込んだ冬の熱風は
種子を運び
そしてある日
軽く吹きだしたひょうしに
いっせいに発芽するのだ
むせかえるような蔓草の香りに
花が咲くその日を
私は恐れ
ひたすらに待っている
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