オレサマの四段活用
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朝、中学生とすれ違った。
どうせ 俺には輝きなんて無いと自動改札を通る。
昼、OLとすれ違った。
どうして 俺はいつも昼飯に誘われないのだろうと
立ち喰いソバを食べる。
夜、中年男とすれ違った。
やっぱり 俺は淋しい男と噛みしめて同僚と赤提灯の暖簾をくぐる。
真夜中、犬とすれ違った。
結局 俺はもう若くないと電柱にもたれかかった。
夜が明ける前に俺はアパートの部屋に戻る。
すえた臭いのする冷たいねぐらへ。
暗がりの中で俺は
昨日の夜と同じ位置に立っているのを確認する。 |
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